懐かしのHonesty
(前略)
『限りなく透明に近いブルー』の映画を監督している時、モコ、ケイ、レイコという三人のヒッピー娘役の女優達をオレはかわいがった。当時三人とも、無名だが(今でも無名だ)、二十三歳で、きれいな女達だった。かわいがらない男がいるだろうか。
(中略)
サン・チェーンで夜食を買って、またギャーギャー騒ぎ、どうやって寝ようかと相談して、結局オレ一人だけを、豪華なダブルベッドに寝かせてくれた。(中略)オレはドアーズやストーンズには詳しかったが、ビリー・ジョエルを知らなかったのだ。これ、いい曲だな、とオレは言った。
(中略)
そのうちの一人と、箱根のテニスコートで再会した。青年実業家の奥さんになっていた。オレは、『ストレンジャー』のイントロを口笛で吹いた。彼女は、微笑んで、「あの頃は、最高だったわね」とオレの耳許で囁いた。
「今は?」とオレは聞いた。
「今も、最高よ」と彼女は答えた。
(後略)
『すべての男は消耗品である』(1990年 村上龍・著 角川書店)
―「若くて、きれいな女には絶対かなわない」より抜粋
久しぶりに『Honesty』を鑑賞した。
高校生の頃、バレンタインデーに同級生から
「麗澤君て、ビリー・ジョエルに似ているわね」と言われ、チョコレートを貰った。
私はクイーンやレッド・ツェッペリンには詳しかったが、ビリー・ジョエルを知らなかったのだ。
『Honesty』は何度聴いても、ある種の懐かしさを感じる。
女房は、「なんかニューヨークの摩天楼を彷彿させるわね」と小声で言った。
2008年11月16日
塾長・麗澤檸檬について
麗澤檸檬について
昭和34(1959)年生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業後、某放送制作会社に入社。
平成16(2004)年 4月より、メルマガスタンド「まぐまぐ!」からメールマガジン「Fantasy_since_1959 WebSpace」を月刊で発行、同時期より「週末起業フォーラム」に参加。インターネットビジネスとしての小説創作起業の斬新な切り口を提唱。週末起業フォーラム登録専門家に認定される。主な著書に『夏少女』(でじたる書房)、『短編集終わらない夏』(プチブック)がある。
平成18(2006)年 4月、NHKテレビ番組「プライスの謎」、月刊ビッグ・トゥモロウ編集部より取材を受ける。同年 5月、公式サイト「儲かる稲妻ライティング塾」がYahoo!JAPANのディレクトリに登録される。
ライティング塾リンク集
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Doctor: Hide Nozawa